ジャズ・チザム・ジュニア(Jazz Chisholm Jr.)は、MLBのニューヨーク・ヤンキースに所属する内野手と外野手をこなすユーティリティプレーヤーです。
この記事では、彼の基本情報、生い立ち、成績、選手としての特徴やヤンキースでの役割、そしてファンやメディアからの評価について詳しく解説します。
ジャズ・チザムの基本プロフィールと経歴
- 名前:ジャズ・チザム・ジュニア(Jasrado Prince Hermis Arrington “Jazz” Chisholm Jr.)
- 出身:バハマ
- 生年月日:1998年2月1日
- 身長・体重:180cm、75kg
- 投打:右投左打
- ポジション:セカンド、ショート、センター
- 所属チーム:ニューヨーク・ヤンキース
- 背番号:13
プロ入りは2015年で、アマチュアFAでアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約しました。
マイナーリーグでの評価を高めた後、2019年にザック・ガレンとのトレードでマイアミ・マーリンズへ移籍し、翌2020年にメジャーデビューしました。
2024年の7月にトレードでニューヨーク・ヤンキースに移籍しました。
ジャズ・チザムはWBCにイギリス代表として出場
ジャズ・チザムはバハマという人口約39万人の小さな島国出身です。
バハマは1973年にイギリスから独立した国で、国内の野球組織の整備が整っていないこともあり、現時点でWBCにバハマ単独の代表チームとしての参加はしていません。
バハマ単独のチームの登場はこれからですが、選手個人としては親がイギリス国籍を持つ場合はイギリス代表としてWBCに出場できます。
ジャズ・チザムもマイナー時代の2017年のWBCのイギリス代表として出場しています。
ジャズ・チザムの成績・記録
試合数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | |
2020 | 21 | .161 | 2 | 6 | 2 | .563 |
2021 | 124 | .248 | 18 | 53 | 23 | .728 |
2022 | 60 | .254 | 14 | 45 | 12 | .860 |
2023 | 97 | .250 | 19 | 51 | 22 | .761 |
2024 | 147 | .256 | 25 | 73 | 40 | .760 |
2022年と2023年は怪我により出場試合数が減少しています。
また、2022年のオールスターゲームに選出されています。
ジャズ・チザムの選手としての特徴・評価
ここでは主にこれまでの成績データや、メジャーリーグ公式データ分析サイト「Baseball Savant」を使いながらジャズ・チザムの選手としての特徴を解説していきます。
丸の中で表示されている「1から100」の数値は、選手の特定の能力や成績が、リーグ全体の中でどの位置にあるかを示す指標です。数字が高い(赤色)=良い、数字が低い(青色)=悪いと考えてください。
上からバッティング、走塁、守備の値です。ざっくりいうと、バッティングは平均以下、守備と走塁はリーグ上位ということになります。
打撃(バッティング)
身長180センチとメジャーリーガーとしては小柄な選手ですが、2024年には24HRを記録しており、長打力が魅力です。
打撃指標を詳しくみてみると、バレル率と平均打球速度が高いことから、バットに当たった際には非常に良い打球を飛ばせていることがわかります。
一方で、空振り率や三振率が高いこともあり、バットにコンタクトする力が課題となっています。
守備
内野ではセカンド、サード、ショート、外野ではセンターをこなすなど、高いユーティリティ性が強みの選手です。
守備指標を見ていくと、守備範囲を評価するOAA(Outs Above Average)が優れていることがわかります。送球の指標(Arm ValueとArm Strength)についても平均以上です。
走塁
2024年に40盗塁を記録するなど、高い走力を誇ります。
積極的に次の塁を狙う選手であり見応えがあります。
ジャズ・チザムのチームでの役割、起用法
マイアミ・マーリンズ時代はセカンドとセンターでの出場がほとんどでしたが、ニューヨーク・ヤンキースに移籍してからは、チーム事情からこれまで経験のないサードでの出場が増えました。
打線においても様々な打順をこなし、2024年は1番や4番、5番を担うことが多かったです。
選手の入れ替えが激しいメジャーリーグにおいて、攻守においてユーティリティー性の高いジャズ・チザムはチームにとって使い勝手の良い選手と言えるでしょう。
ジャズ・チザムの契約・FA・年俸について
ジャズ・チザムはニューヨーク・ヤンキースと2026年までの契約を結んでおり、2027年にフリーエージェント(FA)権を獲得する予定です。
MLBで3年以上6年未満のプレー経験がある年俸調停権(選手が球団に対して適正な年俸を主張できる権利)をもった選手ですが、2025年は交渉の末、年俸585万ドル(約9億円)でプレーすることが決まっています。
ジャズ・チザムへのファン・メディア・他の選手からの評価【過大評価?】
ファッションと言動【SNSでの発信も活発】
人気選手のチザムJr.ですが、その要素の1つにグラウンド内外で派手なファッションをすることが挙げられます。
髪を青や紫に染めていた時期もありますし、野球選手のサングラスとしては一般的ではない丸い形のサングラスを好んで着用しています。また、アイスクリームをイメージしたデザインのグローブを使用しています。
このような個性的な見た目や、SNSでの積極的な発信を多くのファンが楽しみにしています。ジャズ・チザムのInstagramはこちら。
「MLB The Show 23」のカバー選手に選出
このような彼自身の人気や、珍しいバハマ出身の選手であることなどが注目され、人気野球ゲーム「MLB The Show」の2023年版のカバーを飾っています。
このゲームは日本でいうプロ野球スピリッツやパワフルプロ野球のような存在で、毎年メジャーリーグを代表する選手がカバーを飾っています。
球界で最も過大評価されている選手に選ばれる
2024年の選手間投票において「球界で最も過大評価されている選手」として最多の票を集めました。
派手なファッションと言動で目立つことも多い一方で、成績としては、オールスター選出されたことはあるものの、タイトル獲得経験もないため、そのギャップがこの結果を生んだのだと思われます。
特に前述の「MLB The Show 23」のカバー選手に選ばれたことも一因かもしれません。
これまで「MLB The Show」シリーズのカバー選手は、大谷翔平選手やフェルナンド・タティスJr.、アーロン・ジャッジといった、MLBを代表する選手が選ばれてきており、このメンバーの中にジャズ・チザムが入るのに違和感を覚えるファンもいたため、他の選手からも票が集まったのかもしれません。
ミゲル・ロハスとの確執
ファッションにも現れているように自由奔放な性格なチザムJr.ですが、マイアミ・マーリンズ時代のチームメイトであるミゲル・ロハスとの確執があるとされています。インタビューでミゲル・ロハスについて次のようにコメントしています。
彼は長年チームにいたし、球団はリーダーとして見ていたけど、人としてもリーダーとしても良くなかった。実質的に自分がチームリーダーだったんだ。そうは呼ばれていなかったけどね。彼は若い選手たちを傷つけた。例えば、チーム屈指の有望株がMLBに昇格して、初めての試合でホームランを打ったんだ。その次の打席、ソト・シャッフルをしたんだ。その若手は好きな選手がソトで、彼はまだ昇格したての子どもなんだよ。でも彼はそれを見て若手選手を怒鳴りつけた。わざわざ隣に座って、”お前はソトじゃないし、ソトはオールスター選手なんだから、お前はそんなことするな”って。なんで昇格したての野球を楽しんでいる選手にそんなことをする必要があるのか?教えてくれ。
一部のファンの間では、2024年のワールドシリーズはニューヨーク・ヤンキースに移籍したチザムJrと、ロサンゼルス・ドジャースに移籍したミゲル・ロハスの因縁の対決と言われました。
ジャズ・チザムの今後【過大評価を覆せるか】
2024年シーズン中のトレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍し、ワールドシリーズを経験することができましたが、後一歩のところで世界一を逃しました。
個人的にはファッションやプレースタイルが大好きな選手ですし、まだまだ若い選手ですので伸び代もあると考えています。
2025年シーズンは名門ヤンキースのレギュラーとして開幕から活躍し、過大評価を覆して欲しいですね。
ジャズ・チザムの使用道具【グローブ・スパイク・バッティング手袋】
グローブ
ジャズ・チザムはabsolutely ridiculousのグローブを使用しています。アイスクリームをモチーフにしたデザインが特徴的なグローブメーカーです。
通常日本では販売されていませんが、筆者が運営している海外野球用品専門店の「Playcatch」ならアメリカで購入した商品をお客様のお手元までお届けするサービスを行っています。
詳しくはこちらからお問い合わせください。
スパイク
ジャズ・チザムはジョーダンのスパイクを使用しています。
バッティンググローブ
ジャズ・チザムはジョーダンのバッティンググローブを使用しています。
エルボーガード・レッグガード
ジャズ・チザムはグローブと同じく、absolutely ridiculousのエルボーガード・レッグガードを使用しています。アイスクリームをモチーフにしたデザインが特徴的なグローブメーカーです。
通常日本では販売されていませんが、筆者が運営している海外野球用品専門店の「Playcatch」ならアメリカで購入した商品をお客様のお手元までお届けするサービスを行っています。
詳しくはこちらからお問い合わせください。