この記事ではメジャーリーグのポストシーズンの仕組みを、2024年のポストシーズンの結果を例にしながらわかりやすく解説していきます。
メジャーリーグのポストシーズンの仕組みをわかりやすく解説
メジャーリーグのポストシーズンは、レギュラーシーズン終了後に行われる世界一を決めるためのトーナメントです。例年10月〜11月初旬に開催されています。
ポストシーズンに出場できるのはアメリカンリーグとナショナルリーグのそれぞれ6チームづつ、計12チームです。
以前は各リーグ5チームづつ、計10チームの参加でしたが、2022年にルールが変更され、より多くのチームに優勝のチャンスが与えられる現在の形になりました。
メジャーリーグのポストシーズンへの出場条件は?
ポストシーズン進出の条件は下記のどちらかを達成する必要があります。
- 地区優勝
- ワイルドカード枠に入る
次の項目でメジャーリーグ全体の仕組みを解説しながら、上記の条件を達成する方法を詳しく説明します。
メジャーリーグの地区やワイルドカードの仕組み

メジャーリーグはア・リーグとナ・リーグの2リーグ制であり、各リーグに西地区・中地区・東地区と3つの地区があります。それぞれの地区に5球団が所属しています。
レギュラーシーズンは162試合を戦い、勝率で順位が決定されます。各地区で最高勝率を記録したチームは地区優勝となり、自動的にポストシーズンに進みます。これが前述の1「地区優勝」してポストシーズンに出場するパターンです。
次に、地区優勝を逃したチームの中から、リーグ内の勝率の上位3チームがワイルドカードチームとしてポストシーズンに出場する権利を得ます。これが2の「ワイルドカード枠に入る」パターンです。
メジャーリーグのポストシーズンでは世界一になるために何勝必要?
メジャーリーグのポストシーズンで世界一(ワールドシリーズ制覇)を達成するためには、最大で13勝、最小で11勝が必要です。
メジャーリーグのポストシーズンは4つのシリーズに分かれており、地区優勝したチームとワイルドカードでポストシーズンに進出したチームで必要な勝利数が違いますので、この4つのシリーズについて詳しく解説します。

ワイルドカードシリーズ(WCS)
ワイルドカードシリーズに参加するのは下記の4チームです。
- 地区優勝チームの中で勝率が3位のチーム
- ワイルドカードチームの中で勝率が1位のチーム
- ワイルドカードチームの中で勝率が2位のチーム
- ワイルドカードチームの中で勝率が3位のチーム
地区優勝チームの中で、勝率が1位と2位のチームはワイルドカードシリーズ(WCS)は免除されます。そのため、ワイルドカードシリーズに出場するかどうかで、世界一(ワールドシリーズ制覇)を達成するための勝利数が変わってくるのです。
ワイルドカードシリーズの組み合わせは下記です。
- 地区優勝チームの中で勝率が3位のチーム vs ワイルドカードチームの中で勝率が3位のチーム
- ワイルドカードチームの中で勝率が1位のチーム vs ワイルドカードチームの中で勝率が2位のチーム
それぞれ3試合中2勝したチームが次のディビジョンシリーズ(ALDS/NLDS)に進みます。
ディビジョンシリーズ(ALDS/NLDS)
ディビジョンシリーズ(ALDS/NLDS)に参加するのは下記の4チームです。
- 地区優勝チームの中で勝率が1位のチーム
- 地区優勝チームの中で勝率が2位のチーム
- ワイルドカードシリーズを勝ち上がったチーム
- ワイルドカードシリーズを勝ち上がったチーム
ディビジョンシリーズ(ALDS/NLDS)の組み合わせは下記になります。
- 地区優勝チームの中で勝率が1位のチーム vs ワイルドカードシリーズを勝ち上がったチーム
- 地区優勝チームの中で勝率が2位のチーム vs ワイルドカードシリーズを勝ち上がったチーム
それぞれ5試合中3勝したチームが次のリーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS/NLCS)に進みます。
リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS/NLCS)
リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS/NLCS)参加するのは、ディビジョンシリーズ(ALDS/NLDS)で勝ち上がった2チームです。
それぞれ7試合中4勝したチームがワールドシリーズ(WS)に進みます。
ワールドシリーズ(WS)
リーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS/NLCS)で勝った2チームが各リーグを代表して戦います。
7試合中4勝したチームが世界一(ワールドシリーズ制覇)となります。
メジャーリーグのポストシーズンのアドバンテージとは?【ホームアドバンテージ】
メジャーリーグのポストシーズンには、日本のプロ野球のような勝利数によるアドバンテージ制度は存在しません。全てのシリーズは0-0からのスタートとなります。
ただし、ホームの球場で試合ができるホームアドバンテージについては存在し、以下のような形式で適用されます。
- ワイルドカードシリーズ:3戦制で、上位チームが全試合をホームで実施。
- ディビジョンシリーズ:5戦制で、上位チームが第1、2戦と第5戦をホームで実施。試合順はホーム2戦→アウェイ2戦→ホーム1戦(2-2-1方式)となります。
- リーグチャンピオンシップシリーズ:7戦制で、上位チームが第1、2戦と第6、7戦をホームで実施。試合順はホーム2戦→アウェイ3戦→ホーム2戦(2-3-2方式)となります。
- ワールドシリーズ:7戦制で、レギュラーシーズンの勝率が高いチームがホームアドバンテージを獲得します。試合順はホーム2戦→アウェイ3戦→ホーム2戦(2-3-2方式)となります。
ポストシーズンとプレーオフの違いは?
メジャーリーグでは「ポストシーズン」と「プレーオフ」は実質的に同じ意味で使用されています。
2024年のポストシーズンが開催された日程
2024年は下記の日程でポストシーズンが開催されました。
- ワイルドカードシリーズ:10月1日~3日
- ディビジョンシリーズ:10月5日~12日
- リーグ優勝決定シリーズ:10月13日~22日
- ワールドシリーズ:10月25日~11月2日
【トーナメント表付き】2024年ポストシーズンの結果:ドジャースがワールドシリーズ制覇

ワールドシリーズはロサンゼルス・ドジャース対ニューヨーク・ヤンキース名門対決となりました。この組み合わせは1981年以来43年ぶりということで非常に盛り上がりました。
結果はドジャースがヤンキースを4勝1敗で下し、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝きました。
ドジャースには大谷翔平選手と山本由伸投手という2人の日本人選手が所属していますが、2人とも活躍しました。
大谷翔平はポストシーズン全体で打率.286、3本塁打、10打点の好成績をあげ、ディビジョンシリーズ第1戦では同点3ランホームランを放っています。ドジャースへの移籍1年目でチャンピオンリングを獲得しています。
山本由伸投手はポストシーズン全体で4試合に登板し2勝0敗、防御率3.86をマークしました。レギュラーシーズンでは怪我による離脱もありましたが、チームの世界一に貢献しました。
ポストシーズンの放送・配信情報まとめ
2024年のポストシーズンを放送・配信していたサービス一覧です。
- ABEMA:ポストシーズンの一部の試合を無料で配信していました。
- J SPORTS:ポストシーズンの一部の試合を配信していました。月額3,069円。
- SPOTV NOW:ポストシーズンの全試合をライブ配信していました。月額2,000円で視聴可能で、レギュラーシーズンも日本語解説付きで日本人選手の出場試合を中心に放送されます。
- MLB.TV:ポストシーズンの全試合を配信していました。料金は$29.99となっています。注意点としては日本語解説がないことです。
- NHK:ポストシーズンの一部の試合を放送していました。
- フジテレビ:ワールドシリーズのみ放送していました。
上記のサービスは2025年もメジャーリーグのポストシーズンを配信する可能性が高いです。
まとめ: 2025年はどのチームがポストシーズンに進出するのか注目
この記事ではメジャーリーグのポストシーズンについて解説しました。
メジャーリーグの全30球団のうち12球団のみが出場できるポストシーズンは、プレーのレベルはもちろん、選手のやる気も高く毎年大盛り上がりです。
2024年は大谷翔平選手、山本由伸投手が所属するドジャースが世界一に輝きましたが、2025年はどのチームがワールドシリーズを制覇するのか注目です。